Bangladesh Life

バングラデシュで考え中

バングラデシュでの生活は楽しいか?

 バングラで暮らしているいうと、まず「いいなあ!うらやましい!」というようなポジティブな感想はもらわなかった。暗に「大変そうですね」というような反応が多かった。

 実際のところどうなんだろうか?もちろん日本での生活と比べると、あるものより、ないもののほうが圧倒的に多い。でも1年近く生活してみて、なくてもなんとかなるとわかった。

 大変かどうかは、人生の何に優先順位を置くかによってだいぶ変わってくると思う。しかし、まず前提として、駐在員としてバングラデシュに来る日本人はこの国では富裕層に位置する。(所属する会社によって規定が異なるので、全員に当てはまらないとは思うけれど)運転手付きの車と通いのお手伝いさんを雇い、子供達を公立の学校に通わせ、年に2,3回日本へ帰国しても生活していけるくらいの給与が支給される。ドライバーには買い物を頼んだりできる。お手伝いさんには掃除、食事の準備、子供(乳幼児)の世話などをお願いできる。もちろん、子供の進路や日本での家の購入タイミング、親が病気になった場合・・・など海外居住に伴う各自の不安要素はあると思う。ただ、現在進行形で「バングラデシュで生活する」という点においては、かなり恵まれてるんじゃないか?というのが正直な感想だ。

 あと、日本人はバングラ人から好かれていると感じた。店員さんなどと話していて、「日本人は好きだ。礼儀正しいし、フレンドリー」と何度か言われた。また、バングラ人の富裕層の中にはステータスとして外国人と積極的に親しくなりたい人もいるらしい。これらは実際の生活で利点があるかはわからないけれど、少なくとも悪い意味での人種差別を日常的に受けるよりは精神的に楽だと思う。

 

以下は、ダッカで暮らす上で主に大変なこととして挙げられそうな点と、それについての私の感想。地方とは事情が異なると思うので、ダッカ限定です。

 

・家族や友達と会えない

→距離があるので実際には会えないが、今はインターネットがかなり普及しているので、LineやSkypeで気軽に電話できる。そして友達は、ダッカでもできる。日本人コミュニティもあるし。外に出るのが億劫な人は、インターネットを通じて海外の友達を作ればいい。語学の勉強にもなる。

 

日本食が食べられない

→日本米(タイやミャンマー産)のものはスーパーで手に入る。私はいちおう味噌や醤油、みりん、日本酒などの調味料は持って来たが、年間でそれぞれ1パックか1,2本しか使わなかった。特に味噌汁は面倒であまり作らなかったので味噌がかなり余っている。でもたまに食べたくなるので、お湯で溶かすだけの簡易味噌汁を買えばよかったなあと思っている。基本的に野菜も肉も癖が強いので、日本と全く同じ味付けにしても同じ味にはならない。スパイスや油を少なめにしたカレーが一番おいしく食べられる方法だと思った。スーパーの魚は鮮度が心配だが、FreshFishという日本人が経営している魚屋さんがあるのでそこで購入可能。

 ただ、体調を崩したときは日本食のさっぱりした優しい味しか食べられなかった。スーパーにお惣菜は売っていないし、作るのも辛かったので、おかゆや缶詰などレトルトの日本食に助けられた。

 

・治安が心配

→2016年にテロがあったので、下見に来る前はこれが一番心配だった。しかし、これまで日中街中を歩いていて危険な目にあったことはない。外国人は目立つのでジロジロ見られるが、ただそれだけ。目立たないに越したことはないので、車で移動したほうがいいとは思うが。海外の観光地は組織的なスリ集団もいるけれど、ダッカは観光地化していないからかそういう話は聞かなかった。ただ、夜間は街灯も暗くて交通事故も怖いのでほとんど出歩かなかった。

 

・出歩けない

→会社の規定で決められた範囲以外は出歩いてはいけない人もいる。基本的に家が広いので、知り合いの家に集まることが多いようだった。夫の会社は行動規制がなかったので、私たちは週末は大体外食していた。平日は歩いていける場所のカフェに行ったりしていた。自由に出歩けないことの辛さには個人差があると思う。運動が大好きな人には辛いかも。私はインドア派なのでそうでもなかった。とはいえ、私も夫も時々公園でランニングやウォーキングをしていた。日本人はほとんど見かけなかったが、施錠できる門があり警備員が配置されているような公園だったからか、危険な目にあったことはない。日本人の間ではスポーツジムに入会するのが一般的なようだった。あとは家が広いので、家の中でできる筋トレのような運動は日本よりしやすいと思う。

 出歩けないストレスは、近隣国への海外旅行で発散する家族が多い。多くの在ダッカ日本人が買い出しも兼ねて行くバンコクは片道2時間半、往復の航空券は安いときで2万円代。観光都市なのでホテルのグレードも幅広い。日本からではなかなか行けないミャンマーブータンへ旅行している人もいた。

 

・言葉が通じない

→外国人が行くようなスーパーやレストラン、カフェの店員さんは英語が話せるし、メニューなども基本的に英語。日本より英語が普及していると思う。ドライバーやお手伝いさんには個人差があるので、雇うときに確認すれば良いと思う。

 

・外国人が楽しめる娯楽がない

→確かに、カフェくらいしか娯楽がない。外国人が楽しめるようなショッピングモールもない。私にとっては、なければないでしょうがない、と思えた。今の時代に生きていてよかったと思えたのはインターネットが普及していること。Youtubeの動画を見たり、AmazonPrimeで映画やドラマを観たりして楽しめた。本も読みたくなったらKindleで購入した。

 

・空気が悪い、埃っぽい、家が汚れる

→確かに、空気が悪い。土地の特徴として土埃が多いので、家の中でも埃が溜まりやすい。公共交通機関が発達していないので富裕層は皆車を使い、それも一因となっている。乾季は気管支に異状をきたす日本人もいたようだ。個人的には、これが一番ストレスかも。1週間程度家を空けただけで、帰って来たときにテーブルを拭いたら布が真っ黒・・・。毎日のモップがけも徒労に感じる。潔癖症の人は辛いだろうと思うが、お手伝いさんを雇えばそれなりに解決する。日本レベルの室内の綺麗さを求めないほうがよい。

 

 以上、色々と思いつくままに書いたが、日本と全く同じ暮らしをしたいと思っている人は、バングラに限らず海外で暮らすのは向いていないと思う。文化の違いを楽しめたり、柔軟に対応できる人は充実したバングラライフを送れると思う。

 個人的には、これまで全く触れる機会のなかったイスラム教に接することになったのは勉強になってよかったと思う。いかに自分が宗教や歴史について無知で無関心だったかということを実感した。知らなくても生きられる世界でしか生きていなかったんだなあと思った1年間だった。